このたびWALL_okinawaでは7月5日(土)より、沖縄にルーツを持つアーティスト・KINJOによる、現地での滞在リサーチと制作を通じて生み出した作品群で構成される沖縄初の個展「Shaky specimen」を開催します。
沖縄にルーツを持つKINJOは、東京を拠点に活動し、アメリカ文化を題材にした絵画や立体、インスタレーション作品を制作するアーティストです。
本展では、KINJOが自身の記憶や身体感覚を手がかりに沖縄の街を歩き、かつての風景の断片やサイン、ロゴ、異文化が入り混じる風景の中に浮かび上がる痕跡を拾い集め、そのプロセスのなかで採取した素材やイメージを、絵画や立体として再構成し、時に「標本」としてキャンバスの中に封じ込めます。
「標本」は本来、観察や記録の対象として静的に保存されるものですが、KINJOの作品においては、記憶や文化、存在の「揺らぎ」そのものが封じ込められています。
沖縄という土地が抱える歴史、文化、都市の記憶。そして、アメリカ文化やアニメ、基地の影響などが混在したKINJO自身のアイデンティティ。それらの交差が可視化される「揺らぐ標本(=Shaky specimen)」を通じて、鑑賞者は、虚実のあいだに漂う沖縄の風景と、そこに存在する「誰か/何か」の痕跡と向き合うことになるでしょう。