鹿革工芸品には燻しや染色、漆付けなどの様々な技法によって吉祥の意味合いを持つ模様が多く描かれています。幸福を呼び寄せ、災いを避けようと願う心は万国共通ですが農耕民族と呼ばれる日本人は季節の移ろいに敏感であり、四季に対する情緒的思考が育ちました。同時に日本では古来から全ての物に神が宿ると考えられ、天象から器物に至るまで信仰の対象となりました。これらが礎となり「もののあはれ」や「わびさび」、「粋や洒落」など特有の美意識が生まれ、工芸品には祈りや願いを込めた模様が多用されるようになりました。
印傳の財布には富士山が多く描かれています。富士山は日本一の霊峰として崇められ、絵画や文学でもその美しさを礼賛しています。財布の内側に水辺や松などと共に描かれ、水墨画や浮世絵を模したものや日本独特の心象風景が表されているものもあります。小桜模様や菖蒲模様・正平模様は武運を願う心に通じることから戦国の世に好まれました。時代が下ると武具や馬具から転じて身の回り品へと姿を変え、現在では小桜の可憐さが多くの女性に愛されています。
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企画展100回記念 印傳の模様ー美と心 ESSENCE OF JAPANー
株式会社印傳屋上原勇七/印傳博物館
伝統模様 受け継がれてきた日本の心
■会期 2026年2月21日(土)~2026年6月21日(日)
■開催場所 印傳博物館(山梨県甲府市中央3-11-15印傳屋本店2階)
■開館時間 10:00-17:00
■入館料 大人200円 小・中学生100円
株式会社印傳屋上原勇七の「印傳博物館の運営」は、全国各地で行われる、芸術文化を通じて豊かな社会づくりに参加する“企業メセナ”を顕在化し、その社会的意義や存在感を示すことを目的とした企業メセナ活動を認定する制度「This is Mecenat」に認定されています。





