古くから、日本や中国の工芸品は西洋にとって憧憬の的でした。とりわけ陶磁器やガラスの製品においては、日本や中国の工芸を手本として、材質、形状、装飾などの面で様々な試行錯誤が繰り返されてきました。19世紀後半、日本の美術工芸品がヨーロッパに流入すると、日本の文化に対する人々の熱狂を巻き起こし、西洋の工芸品やデザインに影響を与えるようになります。1854年の開国以降、日本では欧米との貿易に拍車がかかり、ヨーロッパやアメリカの愛好家の求めに応じて多くの美術品や工芸品が輸出されました。日本の文化、また日本そのものに対する憧れによって、ジャポニスムは西洋の作家やデザイナーたちの間で流行のスタイルとなったのです。その影響は、19世紀末の西洋諸国を席巻したアール・ヌーヴォー様式の作品にも大いに見られます。そして、ヨーロッパ諸国の他の工芸美術館と同様、ブダペスト国立工芸美術館も1872年の開館当初から、ジャポニスム様式の作品とともに日本の漆器や陶磁器を始めとする日本の工芸品を積極的に収集してきました。
本展覧会は、日本の美術を西洋がどのように解釈したか、そして日本の美術や工芸がどのようにして西洋に影響を与えたか、そのありようを19世紀末葉から20世紀初頭までの工芸作品の作例を通じて辿るものです。ジャポニスムとアール・ヌーヴォーをテーマに、ブダペスト国立工芸美術館のコレクションからエミール・ガレ、ルイス・カンフォート・ティファニーらの名品とともに、ジョルナイ陶磁器製造所などで制作されたハンガリーを代表する作品群を含めて約170件(約200点)をご紹介いたします。
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ブダペスト国立工芸美術館名品展
パナソニック株式会社
ブダペスト国立工芸美術館のコレクションのハンガリーを代表する作品群をご紹介
■会期:2021年10月9日(土)~12月19日(日)
■会場:パナソニック汐留美術館
■開館時間:10:00-18:00(ご入館は17:30まで)
※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館 20:00まで(ご入館は19:30まで)
■入場料:
一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
【オンライン・ギャラリートーク「展覧会のツボ」動画配信】(事前登録不要、無料配信)
■配信予定日:
10月31日(日)15:00-
11月 2日(火)12:30-
11月 4日(木)19:00-
ご自宅のパソコンやスマートフォンからご視聴いただけます。
※ご視聴方法はこのホームページでお知らせします。
【開催記念講演会】
■講演テーマ:「日本工芸とジャポニスムおよびアール・ヌーヴォー」
■講師:木田拓也 氏(武蔵野美術大学教授、本展監修者)
■日時:2021年11月3日(水・祝) 午後2時~午後3時30分
■定員:50名(要予約)
■聴講費無料(ただし本展の観覧券と予約が必要です)
■会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
※自由席になります。
*未就学児はご遠慮ください。
*イベント実施につきましては、事前にHPにてご確認ください