宇野亞喜良氏は日本を代表するイラストレーター、グラフィックデザイナー。昨年米寿を迎え、”黄金の左腕”を武器に、今も第一線で活躍し続けています。
宇野氏は「印刷というのはイラストレーションを確実に復元するんじゃなくて、出来上がったものが良ければそれが一番良い」と、印刷だからこそ実現できる表現に強い関心を示してきました。
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京・銀座)にて今年1月末まで行われていた「宇野亞喜良 万華鏡」展では、俳句と少女をテーマにした原画を題材に、雑誌『デザインのひきだし』(グラフィック社)編集長の津田淳子氏が22作品の特殊印刷設計に挑み、多数の異なる表現方法が試みられました。オフセット印刷のみならず、箔押し、段ボール紙や新聞紙へのシルクスクリーン印刷、手漉き透かし和紙など、日本各地で行われたさまざまな実験は、オリジナル作品との化学反応を起こし、新たな宇野作品を生み出しました。
本展では、特殊印刷設計から生み出された作品の制作過程にフォーカスし、技法の解説とともに、津田氏の修正指示が書かれた色校正紙や印刷の版なども展示します。完成に向けてどのように試行錯誤を重ねたか、その舞台裏を「印刷花絮(かじょ)(こぼれ話、裏話)」と題し、前期・後期に分けてご紹介します。
時代を超えて普遍的な魅力を放ち続ける宇野作品が、印刷の専門家も驚く姿に変貌しました。紙だからこそ、印刷だからこそできる表現を追求した、印刷実験の成果をご堪能ください。
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市谷の杜 本と活字館 宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-(後期)
大日本印刷株式会社
宇野亞喜良の印刷実験は如何にして生まれたか
■会期
2023年6月28日(水)~2023年10月29日(日)
■会場
市谷の杜 本と活字館
〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
TEL:03-6386-0555
■開館時間
平日 11:30-20:00、土日祝 10:00-18:00
■休館日
月曜・火曜(祝日の場合は開館)
平日予約制、入場無料
大日本印刷株式会社の「市谷の杜 本と活字館」は、全国各地で行われる、芸術文化を通じて豊かな社会づくりに参加する“企業メセナ”を顕在化し、その社会的意義や存在感を示すことを目的とした企業メセナ活動を認定する制度「This is Mecenat」に認定されています。