• 菅実花《非反転劇場鏡》 2022年|題名のとおり、通常は自分の姿が左右反転して映るはずの鏡に、さらにそれを反転させることで正像を映し出す鏡です。普通の鏡に映るイメージは、実際に自分が人から見られているイメージと異なり左右が反転しています。したがって、私たちは多くの場合、左右反転した自分の顔のほうに親しんでいることになります。そのため、この鏡を見ると、自分の顔がいつもとちがうように見え、鏡の向こうからもうひとりの自分が現われたかのような錯覚を起こさせるかもしれません。菅は、自分そっくりの人形と一緒に写真の被写体となる作品を制作しています。本物と人形の菅が、どちらがどちらか区別がつかない、けれども何かちがうように感じるように、鏡に映る体験者は、自分が自分のようで少しちがうように感じるかもしれません。

  • 黒田大スケ《菊地の為のプラクティス》2022年(参考図版)|本展のための新作を展示します。黒田は、自分が興味を持っている出来事を調べて、その出来事に関係する人を自ら演じる映像作品を作っています。その際に、顔や体に動物の絵を描いて、それらの動物がしゃべっている様に見せる工夫をすることで、アヴァター(分身)化し、感情を表現しやすくしています。もともと彫刻を学んだ黒田は、ある時、作ることに疑問を持つようになり、彫刻のことが分からなくなりました。それ以来、彫刻とは何かについて調べることを通じて、彫刻をもっと理解したいという思いから、実在した彫刻家を動物の姿で演じる映像を作るようになりました。黒田にとって、誰かを演じることは深くその人について考えることでもあり、その人の気持ちを理解するひとつの方法なのです。

  • 村本剛毅《Lived Montage (series)》2020年–|村本は「他人と意識しているものが共有されたときに視覚もまた共有される」という架空の知覚のかたちを妄想しました。そしてそれを実際に体験するために、カメラとディスプレイと聴診器とアンテナを装備した独自のメディアを作りました。そのメディアを装着すると、「偶然その時自分と同じものを意識している全員の視界が自分の心拍のタイミングで映画のように切り替わっていく映像」が、自分の視界になります。これは新しい知覚のかたちでもありますが、いつからか私たちの奥で動いていた知覚のかたちでもあるかもしれません。                            
  • 東京
  • イベント
  • 複合芸術
  • TIM受賞
  • 協議会正会員

ICC キッズ・プログラム 2023 「こんにちは、もうひとりのじぶん」

東日本電信電話株式会社/NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

テクノロジーを通して見えてくる、さまざまな〈じぶん〉のあり方と出会う展覧会

現在では、私たちは多くのものを、テクノロジーを通して見ています。SNSやメタヴァースにおけるアヴァターによる自己の変容は、もうひとりの〈じぶん〉としての自身のアイデンティティの拡張と捉えることができるでしょう。

そのようなテクノロジー環境の中で、私たちは自分自身をどのように見ているのでしょうか。テクノロジーをどのように使うのか、どのようにかかわるのか、また、私たちのものの見方の変化によっても、いままでとは異なる角度や精度から私たちを知るきっかけになるとも言えるでしょう。そこでは、〈じぶん〉がどのように捉え直されるのでしょうか。

まだ見ぬ自分へ出会うには、鏡で姿を映し出すことにはじまり、さまざまな方法があります。テクノロジーとデジタル・メディアの進化は、私たちをさまざまに拡張してきました。「ICC キッズ・プログラム 2023 こんにちは、もうひとりのじぶん」では、テクノロジーを通して見えてくる、さまざまな〈じぶん〉のあり方と出会ってみたいと思います。

インタラクティヴな作品や体験型、参加型の作品の展示、また、会期中にはアーティストやスタッフによるワークショップなどを実施して、楽しみながら理解を深めることができる環境を作ります。

■開催期間:2023年8月1日(火)~8月20日(日)
■会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーA
■開館時間:11:00-18:00
■入場無料(当日入場は事前予約者優先)
 予約方法詳細は、展覧会ウェブページよりご確認ください。
■休館日:8月6日(日)、7日(月)、14日(月)
■出品作家:うしお鶏、大原崇嘉、菅実花、木原共、黒田大スケ、古山寧々、佐久間海土、村本剛毅


東日本電信電話株式会社の「NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]の文化・芸術に関する活動」は、全国各地で行われる、芸術文化を通じて豊かな社会づくりに参加する“企業メセナ”を顕在化し、その社会的意義や存在感を示すことを目的とした企業メセナ活動を認定する制度「This is Mecenat」に認定されています。

詳細ウェブサイトはこちら
arrow_drop_up