世界的に稀な存在である常設のピアノ四重奏団として、ヨーロッパの音楽シーンに新しい風を吹かせ、最前線を走り続けているフォーレ四重奏団。2020年に結成25周年を迎え、ますます音楽に円熟味と深みが増してきました。トッパンホールには2014年以来たびたび登場し、いまや主催公演の顔のひとつとして、私たちにピアノ四重奏を聴く悦びを与えてくれています。前回の2021年12月には、諸外国から日本への入国が再び禁止される入国可能なギリギリのタイミングで来日。万難を排して来てくれた彼らの演奏は、制約の多いコロナ禍の息苦しさを忘れさせてくれる、生命力に満ち溢れたものでした。今回は彼らお気に入りのメンデルスゾーン《ピアノ四重奏曲第3番》をメインに据え、前半にはマーラーとベートーヴェンを配置した、いずれの作品も作曲家の若かりし頃に書かれた瑞々しくエネルギッシュな音楽です。このたびも熱狂の一夜になること間違いありません！