実力派がひしめく日本の若手ヴァイオリニストのなかでも、図抜けたテクニックを誇る周防亮介。かねてより知られたその技術面に、近年美しく豊かな音楽性も備わり、スケールの大きな期待のソリストとしてめきめきと存在感を増しています。その原動力のひとつとして、トッパンホールで積み重ねたさまざまな経験が生かされていることは、間違いありません。難曲、パガニーニのカプリースに挑んだ2020年のソロ・リサイタルから、室内楽の醍醐味を実感する数々の企画公演への出演まで、ステージに登場するたびに着実に成長を遂げ、聴衆のみならず国内外の共演者からの信頼も日々増しています。そんな周防の次なる挑戦の場としてオファーしたのは、あまたの名音楽家に捧げられたウジェーヌ・イザイによる無伴奏ヴァイオリン・ソナタの全曲演奏。個性の異なる6曲の作品、いずれ劣らぬ難技巧に彩られた珠玉の作品たちを、たっぷりと味わっていただくぜいたくな企画です。「弦のトッパン」でイザイ全曲への挑戦を託されるのは、本当に稀有なこと。常に進化を続ける俊英が満を持して挑むリサイタルに、ご期待ください。