近年では、メタバースやブロックチェーンなど、新たなインターネット環境であるweb3を基盤としたエコシステムやガバナンスが多くの分野で広がっています。都市開発や行政、金融、医療、マーケティング分野での応用はもちろんのこと、アートシーンにおいてもメタバース上での展覧会、NFT(非代替性トークン)による作品の取引などが進んでいます。かつて、インターネット黎明期には、構造化される都市・社会に対する新たな公共圏として、インターネット空間に様々な表現者たちのアクションが生まれました。それは、メインカルチャーや都市に対抗する「ストリート」がインターネットへと進出した結果でもあります。今後、web3への移行を踏まえ、アートはどのようなコミュニティ/シーンを育むことができるのでしょうか。同時に大規模開発が進む都市において、どのようにアートは新たな「ストリート」を見出し都市に介入できるのでしょうか。本トークセッションでは、テクノロジーと都市のこれからの変容を見通し、私たちに新たな公共圏をもたらすアート、そしてテクノロジーの進展によってアートが育むこれからのコミュニティを様々な実践と共に考えていきます。
登壇者:豊田啓介(東京大学生産技術研究所 特任教授、建築家)
高尾俊介(アーティスト、ジェネラティブアート振興財団代表理事)
SIDE CORE(アーティスト・コレクティブ)
モデレーター:廣田ふみ(プロデューサー、シビック・クリエイティブスペース東京[CCBT])