高千穂郷・椎葉山地域は神話の里として知られ、神前に舞楽を奉納するうち40を超える集落で夜神楽が奉納され、人々は林業を主軸に農業や畜産業を組み合わせ生計を立てています。この山間地の暮らしを支える「夜神楽」で五穀豊穣を祈り、自然への感謝をする儀礼の場は集落全員の相互互助がなければ山の暮らしも成り立ちません。五ヶ瀬川流域の五ヶ瀬町、高千穂町、日之影町と耳川流域の椎葉村、諸塚村の5町村は「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」として、国際食糧農業機関(FAO)により2015年に世界農業遺産に認定されました。独特の農林業を継承してきた人々の営みと、それをつなぐ神楽を守ってきた集落は、持続可能な暮らしと社会の在り方を示しています。
特集では、高千穂郷・椎葉山地域の夜神楽、山腹用水路、棚田、焼畑などを撮りおろしの写真で紹介。また、思想家・人類学者の中沢新一氏による太陽と神楽についてと、総合地球環境学研究所教授の阿部健一氏に世界農業遺産の高千穂郷と椎葉山についてご執筆いただきました。
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