デヴィッド・ステンベックは1978年スウェーデン・ルンド生まれのアーティストで、詩人、文芸評論および編集者として活動するうちに、自身が思い描く詩の世界を視覚化すべく、作品を制作するようになりました。
彼の生み出す作品の風景は、空や雲、山や海まですべてCGI(Computer Generated Imagery)によって制作されており、幻想的で「夢の中の風景」(ドリームランドスケープ)のように感じられます。
また、私たちに現実と非現実、意識と無意識の境界が曖昧になるような錯覚をもたらします。
日本で2度目の個展「Temporary Monuments」では、プリント作品を中心に20点以上の作品をさまざまなスケールで展示するほか、映像作品、LEDライトを使用し、言葉を組み合わせた2mにも及ぶインスタレーション作品を展示。
また、本展開催にあわせて本人も初来日し、作品との対話を通して国際的なコミュニティーを作ることを期待しています。
ぜひご来場ください。
■David Stenbeck / デヴィッド・ステンベック
1978年スウェーデン・ルンド生まれ
2004 ルンド大学にて文学研究修士相当(スウェーデン)
主な展覧会
[個展]
2023 「ドリーム・スケープ」 SNOW Contemporary(東京)
2022 「インペリアル・イーサー」ジェンシンガーギャラリー(オンライン)
2021 「夢の中の夢」ジェンシンガーギャラリー(オンライン)
[グループ展]
2021 「絶対芸術」Nordiska Kompaniet(ストックホルム)
2020 「Selected Works」SCOPE Art Fair(ジェンシンガーギャラリー) (マイアミ、アメリカ)
2020 「デジタルビデオ特集 “UltraHavn”」ジェンシンガーギャラリー(Lightbox提供、ZAZ10TSとのコラボレーション)(タイムズスクエア、ニューヨーク、アメリカ)
主なコミッション / プロジェクト
パリファッションウェーク(パリ)、Valentino(イタリア)、Meta(アメリカ)、Apple Music (USA/INTL)、BMG / ジュリア・ストーンのアルバムカバー(オーストラリア他)、他多数
■アーティストステイトメント
大理石のアーチまたは彫刻の中に、ある出来事や時間の一章を表現することは、それが持つ芸術的、象徴的な属性に加えて、時間としての一貫性を持ち、人間の野心、地質学、文化的な自己イメージだけでなく、勝利や犠牲、団結や喪失、あるいは、帝国、夢、神といった明確な価値を内包する。時を経て、この石は重くなり、朽ち、画像やテキストで再現されるのみで、肉体は塵と化す。しかし、デジタルなコーパス(corpus)*は、軽妙かつ明晰で、交換可能、そして移ろい変容し、常に新しく、常に古いという特性を持つ。
東京のWALL_alternativeで展示されるこれらの作品は「戦争」や「勝利」を映し出すものではなく、より細胞レベルにおいて瞬間に現れた感情的な発露のモニュメントであり、それ自体が現実となり、物理的なものとなるのだ。星の死がそうであるように、その規模にかかわらず、宇宙は終焉を隠すのに十分な大きさを持っている。途方もないことが、見えないところで起こる。本展は、時に出会い、時に出会うことのない恋人たちのように、巨大な感情のモニュメントが存在し続けることについての展覧会である。
*コーパス(corpus):自然言語の文章や使い方を大規模に収集し、コンピュータで検索できるよう整理されたデータベース