真正の「画工」として北斎が絵画の域を超えて生み出した世界を紹介
九十歳よりは画風を改め百才の後にいたりては此道を改革せんことをのみねがふ長寿くんしわが言のたかわさるをしりたまふべし
(九十歳より画風を改め、百歳を過ぎたらこの道を改革することを願っている。長寿の君子よ、私の言葉が間違っていないことを知ってほしい)
『画本彩色通』初編の跋文、弘化5年(1848)
「天我をして五年の命を保たしめは、真正の画工となるを得へし」
(天があと5年の命を与えてくれたなら、真の画工になれたのに)
北斎最期の言葉 飯島虚心『葛飾北斎伝』蓬枢閣、明治26年(1893)
北斎が最期に遺したと言われる言葉です。
ここで北斎は「絵師」ではなく「画工」という言葉を用いています。江戸時代において、幕藩のお抱えの「絵師」と民間の「画工」は明確に区別されていました。北斎が自らの生涯をかけ目標とする姿を「絵師」ではなくあえて「画工」と述べたことには、生涯を通じて腕一本で己の道を切り開き、自由に描き、創ることを目指した強い意志が込められているのではないでしょうか。
本展覧会では、北斎の画業の生涯を振り返り、晩年にたどり着いた、超越した創造と革新の道を、小布施に遺した4枚の祭屋台天井絵、そして北斎が生涯で唯一創作に関わった立体作品と言われる祭屋台装飾を中心にご紹介いたします。真正の画工として北斎が生み出そうとしていた世界を、原画を細部まで忠実に再現した高精細複製画や3Dデジタルアプリケーションなどを通じてぜひご体感ください。
■会期:2024年11月9日(土)~ 2025年3月30日(日)
■会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーE
■開館時間:11:00-18:00(入場は17:30まで)
■休館日:月曜日(月曜日が祝日もしくは振替休日の場合翌日)、年末年始(12月28日~1月3日)、ビル保守点検日(2月9日)
■入場料:一般・大学生1,000円(800円)
※( )内は15名様以上の団体料金です。
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名、65歳以上の方と高校生以下(当日身分証明書のご提示をお願いいたします)、ICC年間パスポートをお持ちの方は無料。
※「ぐるっとパス2024」をご利用いただけます。
■主催:東日本電信電話株式会社
■企画・運営:株式会社NTT ArtTechnology
■監修:久保田 巖(株式会社アルステクネ 代表取締役社長)
■企画協力:市村次夫(北斎館 理事長)
■協力:株式会社アルステクネ、北斎館、岩松院、山梨県立博物館、
公益財団法人似鳥文化財団、株式会社Goolight
東日本電信電話株式会社の「NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]の文化・芸術に関する活動」は、全国各地で行われる、芸術文化を通じて豊かな社会づくりに参加する“企業メセナ”を顕在化し、その社会的意義や存在感を示すことを目的とした企業メセナ活動を認定する制度「This is Mecenat」に認定されています。