このたびギャラリー柏では、 「現代作家シリーズ」の第四弾として「青木野枝ーひかりのやまー」 展を開催します。
青木野枝(あおき・のえ/1958年、東京生まれ)は、武蔵野美術大学在学中より鉄を素材にして作品を制作してきました。現在、最も注目を集める彫刻家として、2017年には第40回中原悌二郎賞を受賞しています。
鉄板をバーナーで溶断し、さまざまな形のピースを作り、それをまた組み立てるように溶接して作品が作られます。従来の彫刻とは異なり、光を透過し、視線を遮らないその作品は、自在に空間を取り込みます。軽やかで、まるで空間に線をひいたように、その場を息づかせます。
青木は当初より、生命とその循環、光、水、大気といった自然の移り変わりを意識しながら制作を続けてきました。青木にとって世界は「ふりそそぐもの」 として捉えられています。「ふりそそぐもの」、それは森羅万象の生命の営みの根源でもあるでしょう。そしてその営みは「ひかり」によって育まれると考えられます。
本展では彫刻と共に独自の魅力をもつ、水彩、ドローイング、版画を多く展示します。立体と平面のコラボレーションにより、ギャラリー柏の空間がさらに新鮮に見えることになるでしょう。
札幌では初めての個展となる、 青木野枝の作品をお楽しみください。