スペースのオープン以来、三回目となる今回はYU SORAによる個展「記憶された日々―기록 된 나날―」を開催いたします。YU SORAは、見落とされがちな日常の風景や記憶を、白い布と黒い糸の手刺繍で紡ぎ、その尊さを表現するアーティストです。刺繍の一針一針には、ふとした瞬間に感じる温もりが込められており、鑑賞者に安心感や親しみを与えます。
本展覧会では、YU SORAがある本からインスピレーションを受けて紡いだ三篇の日々の言葉とともに作品を展示します。
「16:30」
先生と、
まーちゃんと、ひーちゃんと、こはるちゃんと、
いっぱい遊んで
ピンポンして、ここで待ってたら
もうすぐママが来る。
ママがもうすぐお迎え来るとうれしい。
バイバイしてママとベビーカー乗って
お空には飛行機が飛んでるの。
生まれて690日の娘が、寝る前にゆっくりと話してくれた自分の日常。
16:30に保育園のお迎えに行くと必ず同じ時間に飛行機が飛んでいた。
最近、話せるようになったばかりの小さな子が
言葉を覚えて、繋いで、毎日同じ時間に目にするものを並べる。
ゆっくりと自分の知っている言葉をつないでいく。
一緒に見つめた風景がスライドショーのように
二人の閉じた瞼の裏に流れる。
YU SORA