写真家・潮田登久子が70年代後半から80年代にかけて撮影し、40年の時を超えて発表され大きな反響を呼んだ「マイハズバンド」から精選した作品を展示いたします。
40年もの間、撮った本人さえ忘れていた夫と幼い娘の日常を写したネガやプリント。たまたま、引っ越しの整理中に発掘されたこれらの写真は、長い熟成の時を経て2022年に写真集『マイハズバンド』(torch press刊)として刊行され、写真家・潮田登久子の名を国外にも広く知らしめ、再評価の契機になりました。本展では、同シリーズから約30点を展示します。
潮田登久子は、1960年に入学した桑沢デザイン研究所で写真と出会いました。石元泰博、大辻清司に師事し、1975年ごろからフリーランスの写真家として活動を開始、1978年に写真家の島尾伸三と結婚、長女・まほが生まれて間もない1979年初頭から、憲政の神様と呼ばれた尾崎行雄の旧宅を移築した豪徳寺の洋館で一家の生活が始まります。1888年に建てたといわれる古い洋館の2階中程にあった15畳程度の一室が家族の住居。風呂はなく、1階の台所は共有という環境のなかで日々の生活に追われながらも、潮田はカメラの向こうにある日常を淡々とフィルムに収めていきました。
夫や娘はもちろん、生活をともにしていた食器やカーテンなど身の回りの事物、家族が見たであろう風景。「マイハズバンド」は、おとぎ話のようなどこか非現実的な空気感をまとっているにもかかわらず、見る者に一度はここを訪れたことがあるような不思議な既視感を想起させてくれる作品でもあります。発表する意図なく撮られ、長い間、記憶の奥にしまわれていたこれらの作品は、記録メディアでありながら、撮影者の無意識な感情を率直に反映する、写真が内包する本質が幸運な出会いを昇華した形で私たちに提示してくれます。
<ギャラリートーク>
■日時 2026年 4月4日(土) ゲスト:写真家 金村 修 氏
5月9日(土) ゲスト:写真家 島尾 伸三 氏
各日13:00から(30~40分間) ※参加無料・予約不要
■会場 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
■講師 潮田 登久子 氏
※座席はございませんので、予めご了承ください。
※イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。
<写真展概要>
■写真展名 フジフイルム スクエア 写真歴史博物館 企画写真展
潮田登久子写真展「マイハズバンド」
■開催期間 2026年4月1日(水)~6月30日(火)
■開館時間 10:00-19:00(最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで) 会期中無休
■会場 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館
■入館料 無料
※ 企業メセナとして実施しており、より多くの方に楽しんでいただくために入館無料にしております。
■作品点数 プリントサイズ11×14インチ、モノクロ、約30点
フィルムによる作品。
展示作品は、作家によるオリジナルプリント(銀塩印画紙)を使用。
■主催 富士フイルム株式会社
■後援 港区教育委員会
■協力 PGI
■企画 コンタクト
※ 写真展はやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。予めご了承ください。
※ 祝花はお断りいたします。
富士フイルム株式会社の「写真文化の記録的価値とカメラの歴史的進化を楽しめる写真歴史博物館の活動」は、全国各地で行われる、芸術文化を通じて豊かな社会づくりに参加する“企業メセナ”を顕在化し、その社会的意義や存在感を示すことを目的とした企業メセナ活動を認定する制度「This is Mecenat」に認定されています。