エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社(以下 ACA)が運営する夜のオルタナティヴ・スペース「WALL_alternative」では、2026年9月2日(水)から9月26日(土)まで、岡田菜美による個展「気配の座標」を開催いたします。
風景を通して、時間と記憶の関係性を探る岡田菜美。これまで岡田は、自身が目にした風景や記憶を幾重ものレイヤーとして重ね、静止画のような風景絵画へと昇華した「one view」シリーズや、その絵画表現をさらに映像的な領域へと展開した「VOID」シリーズを発表してきました。
本展では、現代の日常に欠かすことのできない存在となった「写真」に着目します。
スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスの普及により、私たちは目にした風景をかつてないほど容易に、そして鮮明に記録ができるようになりました。
一方で、写真や映像は膨大に蓄積され続けるにもかかわらず、それらを見返す機会は減り、記憶に残る風景の輪郭はむしろ曖昧になりつつあります。
「技術によって鮮明になっていく記録」と「時間とともに薄れていく記憶」。
岡田は、この相反する感覚を起点に、写真が捉えた風景と、記憶の中に残る風景とのあいだに生じる揺らぎを、新たな作品へと展開します。
会場では、これまで制作してきた「one view」シリーズと「VOID」シリーズの新作を一堂に展示します。
さらに本展では、オーガンジーに描いた約350枚のドローイングを一冊に製本した新作を発表します。
岡田はこれまで、薄い皮膜を形成するように絵具を重ね、削り、再び描き重ねる独自の手法で、ひとつの画面に異なる時間や記憶を重ね合わせた絵画を制作してきました。今回用いるオーガンジーもまた、一枚一枚は薄く透過し、その向こうにある像を映しながら、幾重にも重なることで見え方を変化させます。絵具の皮膜と、350枚のオーガンジー。異なる方法によって重ねられた像は、記憶が時間とともに蓄積され、曖昧になり、ときに別の像へと変化していくあり方とも重なります。
その一冊を空間の中に置くことで、作品単体として完結させるのではなく、その存在や置かれ方によって周囲の絵画や空間の見え方にも変化をもたらす展示を試みます。
また、併設するバーでは、岡田の出身地である群馬県産のワインを使用した会期限定メニューをご用意。作品鑑賞とあわせてお楽しみいただけます。
記録される風景と、記憶に残る風景。
そのあいだに漂う「気配」を、ぜひ会場でご体感ください。







