平田尚也は、ネット上の3Dデータを仮想空間で立体彫刻を作るように組み立てた作品「“Demon” “Space Ship” “Royal Drive”」で、第18回グラフィック「1_WALL」グランプリを受賞しました。審査員からは、高い完成度やユニークな着眼点が高く評価されました。
大学時代に彫刻を専攻していた平田は、高価な彫刻素材ではなく、ネット上で無限に収集することができるフリーの3Dデータや画像データなどを作品に用い始めました。重力などを自身で数値によって定義したコンピュータの仮想空間内で、収集したデータをもとに制作した作品を「仮想空間内の彫刻」と捉えています。本展では、置物、動物、自転車などの乗り物、家具、植物などの3Dデータを自身の“文法”によって組み立てた新作等を展示します。撮影したような視点で切り取られ紙に出力された仮想空間のオブジェクトは、仮想現実と現実、立体と平面の関係性を浮かび上がらせます。
1月17日(木)には、グラフィックデザイナーの菊地敦己さんをゲストに迎え、彫刻とグラフィックをテーマにしたトークイベントを開催します。受賞から1年後の個展をぜひご覧ください。