17世紀以降、東インド会社によって東洋の文物がヨーロッパに輸入されるとそれらは一大ブームを巻き起こし、なかでもヨーロッパにはない純白で艶やかな景徳鎮や伊万里などの東洋磁器は「白い金」と呼ばれるほど王侯貴族たちの垂涎の的となりました。試行錯誤のうえ、これら硬質磁器の製造にヨーロッパで初めて成功したのがマイセン窯です。1710年に王立磁器製作所として設立されて以来、300年以上を経た現在においても西洋磁器のトップブランドとしょいて高い評価を受け続けています。
本展覧会では、最高級の芸術性と品質を誇り、世界中の人々が愛してやまないマイセンの作品群から、重要なアイテムである動物に関連する作品をご紹介します。動物をモティーフとした美術品は時代や地域を問わず、さまざまな目的で制作され、私たちを楽しませてくれます。マイセンにおいては、創始者であるアウグスト強王が、その権力を誇示するために宮廷動物園を磁器で再現しようという野望を抱き、大量の動物彫像が作られました。王の死後も動物をテーマとした作品は、アール・ヌーヴォーやアール・デコなど各時代の様式を取り入れながら、実に多種多様に生み出されていきました。マイセン磁器によって表現された動物たちが見せるさまざまな表情や愛らしさ、躍動感や本物と見紛うリアルさなど通じて、マイセンの魅力、とりわけ造形技術の高さを改めて知る機会になれば幸いです。
- 東京
- イベント
- 工芸
マイセン動物園展
パナソニック株式会社/パナソニック汐留美術館
■マイセン動物園展
■会期:2019年7月6日(土)~9月23日(月・祝)
■開館時間: 10:00~18:00(最終入館は 17:30まで)
*8月2日と9月6日は午後8時まで(最終入館は午後7時30分まで)
■休館日:水曜日、8月13日(火)~15日(木)
■会場 :パナソニック汐留美術館
〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
■入館料:一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、
中・高校生 500円、小学生以下無料
*20名以上の団体は100円割引