• ヴィトレスクのサーリネン邸のダイニングルーム Photo: Ilari Järvinen/Finnish Heritage Agency, 2012
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サーリネンとフィンランドの美しい建築 展

パナソニック株式会社/パナソニック汐留美術館

サーリネンが築いたフィンランドのモダニズムの原点

美しい森と湖で知られる北欧の国フィンランド。日本でもファンの多いフィンランドのモダニズムの原点を築いたのがエリエル・サーリネン(1873-1950)です。サーリネンはヘルシンキ工科大学在学中に出会ったゲセリウスとリンドグレンと共同で設計事務所を設立し、1900年パリ万国博覧会フィンランド館の建築が好評を博して、みごとなデビューを果たします。初期の作風は、ナショナル・ロマンティシズムと称される、アール・ヌーヴォーの影響をうかがわせながらも民族の独自の文化的ルーツを表現した建築で、当時、独立を求めていたフィンランドの人々を鼓舞させるものでした。
3人はやがて、静かな自然のなかで暮らしながら協働し、芸術家たちと交流できる理想の生活の場として、ヘルシンキの西の郊外の湖畔に、設計事務所兼共同生活の場ヴィトレスクをつくります。(3人の共同建築設計事務所は1896-1905年)
住宅、商業建築、公共建築、駅や都市のデザインと、次第に幅を広げていくサーリネンの設計活動は、20世紀前半の近代化と手と携えていました。その作風は、多様な文化を受け容れつつ民族のルーツを希求した初期のスタイルから、独自の形態を通じて新しいフィンランドらしさを提示しようというモダニズムへと展開します。1923年に活動の展開を求めてアメリカに渡ってからは、自ら設計したクランブルック・アカデミー・オブ・アート(美術学校)で教鞭をとるほか、同じく建築家となった息子のエーロ・サーリネン(Eero Saarinen, 1910-1961)と建築事務所を設立し、ともに設計に励みました。
本展は、渡米までのフィンランド時代にスポットをあて、図面や写真、家具や生活のデザインといった作品資料の展示を通して紹介します。つねに革新を求めつつ、自然や風土に根ざし、光と陰影をとりこんで豊かな表情を見せるサーリネンのデザインは、生活のあり方を一歩立ち止まって考え直す時を迎えている今の私たちの心に深く語りかけるでしょう。

■会場:パナソニック汐留美術館
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F
JR 「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より
徒歩約6分、都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分

■会期:2021年7月3日(土)~9月20日(月)
■主催:パナソニック汐留美術館
■後援:フィンランド大使館、フィンランドセンター、一般社団法人日本フィンランド協会、 一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、港区教育委員会

■協力:日本航空
■企画協力:株式会社キュレイターズ
■会場構成:久保都島建築設計事務所
■休館日 :水曜日、8月10日~13日
■開館時間:10:00~18:00まで(ご入館は17:30まで)
※8月6日(金)、9月3日(金)は夜間開館 20:00まで(ご入館は19:30分まで)

■入館料:一般:800円/65歳以上:700円/大学生:600円/中・高校生:400円/小学生以下無料
◎障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

詳細ウェブサイトはこちら
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