ヴァイオリン部門で最難関と言われるインディアナポリス国際コンクール。その36年の歴史上、日本人として24年ぶり4人目の入賞に輝いた外村理紗。百花繚乱の様相をみせる才能豊かなヴァイオリニストの中でも特に注目と期待を集めています。
今期の『明日への扉』でも最年少の彼女のプログラムは、シューマンでスタート。シューマンは共演を買って出た伊藤恵の最も得意とする作曲家でもあり期待は膨らみます。続くプロコフィエフの第1ソナタは、外村がインディアナポリスの課題曲の中でもひときわ優れた演奏を聴かせた作品。当時以上に精度高く、手の内に入った音楽を披露してくれるでしょう。後半はイザイに捧げられた2作。これらはツルゲーネフやブルーストなど、文学と関りがある点でも共通しています。また、フランクはこの公演日と同じ12月16日に初演されました。フレッシュな感性と完成されたテクニックで描き分けられる4種のロマンの様相をお楽しみください。