海外アーティストの入国が厳しく制限された2021年1月、アレクサンドル・メルニコフは、入国時の2週間の待機を承知のうえで来日。チェンバロ、2台のフォルテピアノ、スタインウェイと4台の楽器をステージに並べて、バッハからシュニトケに至る7人の作曲家の〈幻想曲〉を華麗に弾き分け、渇き切っていた私たちの耳と心を癒してくれました。早くも再登場となる今回、繊細な感受性で汲み取った瑞々しいドビュッシー《前奏曲集》第2集、ベルリオーズ=リストが描いた壮大な《幻想交響曲》への挑戦と、絶好調なメルニコフの感性が詰まった〈幻想〉の世界を、心ゆくまでお楽しみください。