第一生命は、企業メセナ活動の一環として、現代美術の展覧会「VOCA(ヴォーカ)展*」の受賞作品の一部を所蔵し、第一生命ギャラリー/ロビーで公開しております。また、年に数回、VOCA展受賞作家の個展を開催し、作家の方には発表の場を、一般のお客さまには現代アート鑑賞の場を提供しています。
今回は「VOCA展2006」奨励賞受賞作家　ロバート プラットさんの個展を開催します。
*The Vision of Contemporary Art　現代美術の展望－新しい平面の作家たちー

デファイアント フローラル/Defiant Floral
より大きな文化的、生態的、世界的なシステムに直面し、地位、縄張り意識、支配の概念が劇的に失われつつある時代においてDefiant Floralの作品は、自己と環境の間の境界を破壊する混沌とした視覚的形態の氾濫の中で、私の大規模な絵画は、図と地の関係を次々と不安定にし、自分の身体とは異なる世界を「描く」というデカルト的活動を通して人間中心の立場を脱領土化する可能性を提示しているのです。私は、中世ヨーロッパのタペストリーに見られる「ミル・フルール」の伝統を参照し、混沌とした葉の中にカモフラージュされた人物を配置する、遊び心に満ちたネオ・ダダイズムの視覚的即興を行う。蠢く視覚的パターンとフォルムの混ざり合った空間に迷い込んだ人間と植物のハイブリッドな姿は、人間の主観性に対する現代の理解に挑戦し、周囲の環境に入り込み、支配しようとする主体の試みを揺さぶるものである。支配の誘惑は、領土的適性に対する漸進的な展開と抵抗によって徐々に簒奪され、環境を通して構成されるアイデンティティの遊牧的で流動的な経験へと不安定に移行していくのです。背景に溶け込むことは、外部の視覚的な地面との関係において自己を再交渉する心理的・形態的な過程である。