9月のgggは、アートディレクター/グラフィックデザイナー、細谷巖氏の登場です。細谷氏は、1953年、神奈川工業高校工芸図案科を卒業後、若干17歳で創立2年目のクリエイティブエージェンシー、株式会社ライトパブリシティに入社します。そしてその後、時代の勢いにのるこの新しい会社で、同僚や先輩たちと切磋琢磨しながら颯爽とした広告の数々を、次々と世に送りだしていきました。
1974年、自身の代表作をまとめた『イメージの翼・細谷巖のアートディレクション』を上梓すると、たちまち細谷氏の後を追う若手デザイナーや学生たちのバイブルとなり、後世に多大なる影響を与えることとなります。
本展では、この本に激しく心揺さぶられたクリエイターのおひとり、矢萩喜從郎氏が監修となり、細谷氏の真に創造的な広告作品を厳選してご紹介します。矢萩氏が”観る者の心を射抜く、既存の皮膜を突き破る力”と表現する細谷巖氏の切れ味するどい創作精神にぜひ触れてみてください。