第一生命は、企業メセナ活動の一環として、現代美術の展覧会「VOCA(ヴォーカ)展*」の受賞作品の一部を所蔵し、第一生命ギャラリー/ロビーで公開しております。また、年に数回、VOCA展受賞作家の個展を開催し、作家の方には発表の場を、一般のお客さまには現代アート鑑賞の場を提供しています。
今回は「VOCA展2008」府中市美術館賞受賞作家 関根 直子さんの個展を開催します。
*The Vision of Contemporary Art 現代美術の展望-新しい平面の作家たちー
“ある1つの状態が複合的に構成される”という考えからイメージされるドローイング作品を中心にした展覧会。物質的に思考し、感覚に訴える作品。
現代の風景は、ほぼ人工的な物たちによって構成されています。それらがどこからやってきて、またそれが出現する瞬間はどこにあるのか。人が作り出す風景は、常に始めは“イメージ”として誰かの内に存在し、外に具現化されてゆく。そう考えた時、“風景は外にあるものであると同時に内的な感覚を孕んでいるもの”として私は感じるようになりました。そして、建築、もしくは建築的な感覚によってデザインされてゆく都市の風景は、その最初の出現を“白い紙の上に黒で引かれた線”によって立ち上がってくるのだと認識し、私にとっての”ドローイング”が始まったのだと思います。そして私が考える風景とは、単なる目の前の広がりではなく、人の意識を含みながら、思考し、私たちに作用する場であるということです。